2022年10月17日から11月1日までの間、一般社団法人daidaiの齊藤さん・武田さんの指導のもと、対馬もりびとの森1号(貝口 スス山)にて、くくり罠による有害鳥獣の捕獲研修会を開催しました。
本事業は、休眠預金等活用事業(ソーシャルビジネス第3世代による九州位置(地域)価値創造事業)の支援を受け、「自然共生型森づくりの多主体参加モデル事業」の一環として実施しています。
対馬では、鹿の個体数が増えず着たことにより、森林の劣化が進んでおり、希少な植物も減少しています。見た目が悪いだけでなく、土砂流出や山林の倒壊などのリスクも多くなっています。
猟師さんたちが、行政の補助金を活用しながら、捕獲を進めており、毎年1万頭以上の鹿を捕獲していますが、森林の状態は良くなっていないと感じます。
今後、猟師さんの高齢化も進み、鹿を取る人がさらに少なくなることで、鹿の被害がさらに大きくなる可能性も懸念されます。
対馬の森を美しい森に再生したいと考える対馬もりびとは、獣害対策にも関わっていきたいと考え、対馬もりびとハンターの養成にも挑戦します。事業は、「獣害を獣財へ」をスローガンに、対馬で獣害対策のコーディネートやジビエ・皮革製品の加工販売を手がける一般社団法人daidaiさんに指導をいただきながら、実施しました。
研修の目的は以下の3つです。
①森林内においてくくりわなによる捕獲方法について学んでもらうこと
②捕獲個体を山で綺麗にさばく方法について学んでもらうこと
③①と②を通じて、対馬の健全な森を作るために必要な捕獲技術を持ったもりびとハンターを育成すること
10/17に現地を回り、daidaiの齋藤さん・武田さんの解説のもと、罠をどこに設置したら鹿を捕獲できるのか、鹿の気持ちになって考えを巡らせていきます。研修の参加者が、どこに罠を設置したら良いかを自分で決めていきます。
10/18に罠にかかりそうな場所に目星をつけて、餌を置いて、1週間程度誘引を行いました。実際に鹿が来るかどうかを、データを転送する機能のある自動撮影カメラを設置して様子をモニタリングします。
10/25 わなを11基設置して、そこから11/1までの1週間当番制で見回りを行いました。
今回は、くくり罠を設置して、捕獲を試みましたが、研修中に捕獲はできませんでした。
daidaiさんの計らいで、10/27に他の場所で掛けていた罠に猪の子ども(うりぼう)が捕獲されたので、研修生に呼びかけ、止め刺しと解体を実体験する機会をいただきました。また、10/30には同じくdaidaiさんが捕獲した雌鹿の捌き体験をさせていただきました。
その後、数名の参加者は実際にハンターとして活動を開始し、鹿を捕獲しています。
対馬の森は、鹿によって、劣化しています。あまりにも多くなりすぎた鹿は、人の手で管理し、個体数を減らして、他の生きものが暮らせるような環境づくりを進めていくことが自然共生社会の実現・里山の保全においては大事だと考えています。
ハンターも高齢化していく中で、若い人材がハンターとして育っていくことは、対馬の森を守るという意味でも、とても大事ですし、副業の一つになっていくようになればと思います。
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